年度末に差し掛かると、いろんな転職にまつわる調査結果が発表されます。個人的にはとてもワクワクするシーズンです!
これからもゆるく新聞記事をもとに、周辺情報を収集しながら、インプットのためのアウトプットをしていきます!
今日目に留まった記事は💁
マイナビ、「転勤と転職に関する調査レポート(個人・企業)」の結果を発表 日本経済新聞
株式会社マイナビが、全国の企業と個人を対象に実施した、「転勤と転職に関する調査レポート(個人・企業)」の結果を発表しました。
記事本編については有料記事になるので、日本経済新聞オンラインの会員になるか、楽天証券の口座を開設して日経テレコンで確認してください!
働き方の多様化が進む中、転勤に対する求職者の意識も大きく変わりつつあります。
2025年2月27日に発表された「転勤と転職に関する調査レポート(個人・企業)」では、転勤を敬遠する求職者が増えている実態が明らかになっています。
一方で、企業側は依然として転勤制度を維持・拡大する意向を持つケースが多く、求職者と企業の間には意識のギャップが存在しています。
本記事では、マイナビの調査データをもとに、転勤に対する求職者の本音や企業の対応策を整理し、転職市場における転勤の意味を考察していきます。
この記事では以下のデータを参照しています
✅株式会社マイナビ
「マイナビ 転勤と転職に関する調査レポート(個人・企業)」を発表https://www.mynavi.jp/news/2025/02/post_46700.html
✅パーソル総合研究所
「転勤に関する定量調査」
https://rc.persol-group.co.jp/news/202405301000.html
【個人】求職者の6割以上が「転勤ありの企業では働きたくない」と回答

マイナビの調査では、転職希望者の65.3%が「転勤のある会社では働きたくない」と考えていることが分かりました。

特に、次のような理由から転勤に対する抵抗感が強まっています。
- 金銭的負担:「転居費用がかかる」(44.6%)
- 手間の問題:「引っ越し作業が面倒」(42.9%)
- 家庭の影響:「家族と離れたくない」(41.4%)

求職者の多くは、転勤による生活コストの増加や家族との別居、慣れない土地での新生活への不安を理由に、転勤を避けたいと考えています。
また、82.5%の転職希望者が、転職先を選ぶ際に「転勤の有無を考慮する」と回答しており、転勤がある企業は採用活動において不利になる可能性が指摘されています。

さらに、約半数(49.3%)の求職者が「将来的な転勤の可能性が理由で転職を考えたことがある」と回答しており、転勤がキャリア選択において重要な要素であることが浮き彫りになっています。

従来の「会社都合」を優先する転勤制度に、疑問を呈する人が増えていることを示唆しています
【個人】別の調査データでも転勤へのネガティブイメージが増加傾向


今回の調査結果以外でも、転勤に対するイメージが悪化していることを示す調査結果があります。
パーソル総合研究所の調査結果 によると、就活生、社会人ともに、転勤がある会社への応募・入社を回避する人が約半数を占めています。


また、実際に転勤を理由に転職した人の割合は20~30代で高く、20~30代の10%程度に転勤を理由とした転職経験があるとされています。


会社と従業員の関係性に対する価値観を見ると、「家庭事情への配慮の期待」「主体的なキャリア形成意識」「同調圧力」の3つが、不本意な転勤を受け入れるくらいなら会社を辞める意向と関係しているようです。


同調圧力はプラスにもマイナスにも作用している点も興味深い現象と言えます。



日本的な終身雇用制が崩れてきたこと、キャリア自立の必要性が高まったことなどが、転勤をトリガーとした転職へのハードルを低くした面もありそうです
【個人】従業員が転勤を受け入れる条件とは?


転勤を避けたいと考える人が多い一方で、「ある条件を満たせば転勤を受け入れる」と考える人も一定数います。
具体的には、以下のような条件が求められています。
- 給与面のメリット
- 「基本給が上がるなら転勤を受け入れる」:43.6%
- 「毎月の手当が充実していればOK」:42.7%
- 「昇給につながるなら転勤も許容できる」:37.6%


この結果から、求職者の多くは転勤のリスクを「金銭的なメリット」で補うことを期待していることが分かります。
企業側が適切なインセンティブを提供できれば、転勤を前向きに受け入れる人も増える可能性があるでしょう。
パーソル総合研究所の調査結果でも、転勤受諾条件の上位は金銭的手当になっています。


希望の実現といったキャリア観点も非常に重要な要素ではあるものの、条件が伴わなければ検討が難しいという状況が見て取れます。
従業員の属性ごとに転勤内示の受諾意向・離職意向に傾向があります。





画像をご覧いただくと結構皆さんのイメージにも近いのではないでしょうか?
働き方の優先順位が高い方は転勤受諾意向傾向が低く、キャリア・待遇観点で就業継続を優先する場合は転勤受諾意向が高いようです。また、不本意な転勤を受け入れるくらいなら会社を辞める意向は、20代男性や20代~40代の女性、情報処理・通信技術職、ハイパフォーマー、社外価値が高いと自己認識している人などで高いようです。
転勤を検討しても良いと思える手当の金額は?
パーソル総合研究所の調査結果によると、基本給の30%以上の手当があっても転勤を受け入れようと思わない人が4割弱を占めています。


転勤がある企業の総合職社員のうち、約半数の方が前向きに検討し始めるターニングポイントは、基本給の20%程度の手当となっています。一方で、一時金に関しても、どんなに一時金が高くても納得できない人が1割強を占めています。



あくまで待遇や手当面は衛生要因であり、転勤に動機づけ要因を付与できるかが大切だということがわかります
【企業】9割が転勤制度を「維持・拡大」方針


一方で、企業側の意識は異なります。マイナビの調査によると、9割以上の企業が「転勤制度を維持または拡大する」と回答しました。
背景には以下のような理由があります。
- 人員調整の必要性:「特定の地域に人員が偏るのを防ぐため」
- 事業成長のため:「新規事業の立ち上げや市場拡大に対応するため」
- 社員育成の一環:「幅広い経験を積ませ、成長を促すため」


企業にとって転勤は「組織の最適化」や「人材育成」の手段として長年活用されてきました。しかし、求職者の意識が変化している中で、従来の転勤制度をそのまま維持することは、人材確保の観点からも課題が多いのが現状です。



マイナビの調査レポートでは、転勤を経験した従業員の満足度に関するデータは示されていない点も気になるところです…
【企業】対応策として、転勤制度の見直しが進む


こうした変化を受け、企業側も転勤に関する新たな施策を導入し始めています。
具体的には、次のような対策が取られています。
- リモートワークの活用(53.0%):転勤を伴わずに業務が可能な体制を整備
- 地域限定正社員の導入(41.4%):特定地域のみで勤務できる制度の導入
- 転勤時の給与アップ(41.4%):転勤による負担を軽減するための給与補填


特に「リモートワークの導入」は、多くの企業で進んでいる対策の一つです。遠隔での業務遂行が可能になれば、物理的な転勤の必要性を減らすことができ、企業側・従業員側双方にとってメリットがある施策となります。
また、「地域限定正社員制度」を設けることで、転勤を希望しない人材の流出を防ぎ、優秀な人材の確保・定着につなげる狙いもあります。
【総論】転勤制度はどう変わるべきか?


これからの転勤制度は、「一律の転勤前提」ではなく、「個々の事情を考慮した柔軟な運用」へとシフトすることが求められます。
企業は、以下のような点を意識して制度設計を進める必要があるでしょう。


① すべての職種・従業員に転勤が本当に必要か
まず、全ての業務において転勤が不可欠なのかを見直すことが重要です。例えば、顧客対応や営業活動において、対面でのやり取りが必須でない場合は、リモートワークや短期出張を活用することで、転勤を避けながら業務を遂行できる可能性があります。また、地域ごとに人材配置を見直すことで、定期的な異動を行わなくても事業運営が可能になる場合もあるでしょう。
② 転勤を受け入れやすくするための環境整備
転勤を完全になくすのが難しい場合でも、従業員がより安心して異動できる環境を整備することが求められます。特に、金銭的な負担軽減や家族へのサポートは、転勤に対する不安を和らげる効果が期待できます。
- 金銭的負担の軽減
- 引っ越し手当の充実:転勤に伴う引っ越し費用(敷金・礼金、仲介手数料など)の補助
- 住宅手当の支給:転勤先での住居費負担を減らす制度の導入
- 単身赴任手当の拡充:家族と別居する場合の生活費支援
- 家族への配慮
- 配偶者の転職支援:パートナーの転職活動を支援する制度の導入
- 子どもの教育サポート:転校手続きの支援や学費補助など、子どもが安心して環境を変えられる仕組みづくり
③ 転勤の「選択制」を導入する
転勤に対する意識が人によって異なることを考えると、転勤を希望する人と避けたい人の両方が働きやすい制度設計が求められます。そのため、次のような仕組みを導入する企業も増えています。
- 地域限定正社員の活用
- 特定エリアで勤務を希望する人向けの雇用制度を整備し、転勤が不要なキャリアパスを用意する。
- 本人の希望に応じた転勤の運用
- 事前に転勤の希望を申告できる制度を作り、従業員の意向に沿った異動を実現する。
- 転勤の代替策として短期出張を活用し、業務を遂行しながら生活環境を大きく変えない働き方を提供する。



これからの企業経営においては、「転勤あり・なし」を一律に決めるのではなく、個々のライフスタイルやキャリア志向に合わせた選択肢を用意することが、人材確保や定着につながるでしょう。
【まとめ】企業と従業員双方にとっての最適解とは?


転勤制度は、企業にとって人材育成や組織活性化などの重要な役割を果たしてきました。しかし、働き方の多様化や価値観の変容に伴い、従業員にとって転勤は大きな負担となるケースも増えています。企業は、従業員の多様な働き方やライフプランに対応できるよう、転勤制度のあり方を柔軟に見直していく必要があります。
マイナビの調査レポートでは、転職希望者の多くが転勤を避けたいと考えていることが明らかになりました。転勤に伴う経済的負担や、家族との別居、生活環境の変化など、従業員が転勤に抵抗を感じる理由は様々です。企業は、これらの課題に対して、転勤に伴うサポート体制を充実させたり、従業員とのコミュニケーションを強化したりすることで、転勤に対する不安を軽減する必要があります。
また、転勤の必要性についても、改めて検討する必要があります。リモートワークの導入など、転勤以外の方法で人材育成や組織活性化を図ることも可能です。今後の企業経営においては、「無理な転勤」を強いるのではなく、転勤を希望する人にはキャリアアップの機会を、転勤を避けたい人には別の形で貢献できる環境を整備することが求められるでしょう。転勤制度を見直し、より柔軟な働き方を実現することが、企業にとっても競争力の向上につながるはずです。












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