インサイドセールスの教科書|基礎知識から「The Model」での役割、AI時代のキャリアパスや将来性まで完全網羅

当ページのリンクには広告が含まれています。
インサイドセールスの教科書|基礎知識から「The Model」での役割、AI時代のキャリアパスや将来性まで完全網羅
  • URLをコピーしました!

インサイドセールスって、結局『テレアポ係』じゃないの?

この先もずっと電話営業を続けるのか不安…

フィールドセールスに上がれなかったらどうなる?

そんな悩みを抱えているあなたへ

インサイドセールス(IS)は、かつて「テレアポ部隊」と混同されがちでしたが、現在は見込み客(リード)を育成し、最適なタイミングで商談を創出する「戦略的な役割」へと大きく進化しています。

実際、サブスクリプション型ビジネス(SaaS)の台頭により、顧客は営業に会う前に67%の情報収集を終えている時代。そのため、早期にオンラインで接触し、信頼関係を構築するISの役割が、企業の成長戦略において不可欠になっているのです。

本記事では、IS未経験者から現職者まで、ISの役割・業務内容・キャリアパスを体系的に理解し、市場価値を高めるための具体的なアクションを取れる状態にすることを目的としています。

この記事の概要
  1. ISの役割と「The Model」での位置づけが分かる
  2. 具体的な業務内容と求められるスキルが理解できる
  3. AI活用で進化するISの最新トレンドが分かる
  4. ISから進める5つのキャリアパスが明確になる
  5. 市場価値を高めるための具体的なアクションが分かる

それでは、詳しく見ていきましょう!

目次

第1章:インサイドセールスとは?「The Model」における役割と位置づけ

第1章:インサイドセールスとは?「The Model」における役割と位置づけ

The Modelにおける4つの役割とISの立ち位置

現代のSaaS企業やIT企業で主流となっている営業モデル「The Model」では、営業プロセスが以下の4つの専門職に分業されています。

The Modelの4つの役割

役割主なミッション担当フェーズ
1. マーケティングリード(見込み客)を獲得する認知〜興味喚起
2. インサイドセールス(IS)リードを育成し、商談化する育成〜アポイント獲得
3. フィールドセールス(FS)商談を実施し、受注する提案〜契約
4. カスタマーサクセス(CS)導入後の活用支援を行う定着〜アップセル

この中でインサイドセールス(IS)は、マーケティングとフィールドセールス(FS)の橋渡し役として、商談の「質」と「量」をコントロールする司令塔の役割を担っています。

ISが重要な理由

マーケティングが獲得したリード1,000件のうち、すべてがすぐに商談化できるわけではありません。ISは、これらのリードをスコアリング(評価)し、以下のように振り分けます。

  • 今すぐ商談化できる(Hot): 200件 → FSへトスアップ
  • 育成が必要(Warm): 500件 → ナーチャリング(育成)継続
  • 現時点では優先度が低い(Cold): 300件 → 中長期フォロー

このように、ISが「質の高いリード」を選別してFSに渡すことで、FSの受注率が向上し、営業組織全体の生産性が飛躍的に高まるのです。

💡ポイント
ISは「電話をかけるだけの仕事」ではなく、データに基づいて顧客の購買タイミングを見極め、最適なアプローチを設計する戦略的な職種なのです。

The Model型営業の全体像や、マーケティング・FS・CSとの役割分担をより詳しく知りたい方は、営業職大辞典のType1:デジタル・サブスクリプション型をご覧ください。分業体制全体の流れを詳しく理解できます。

SDRとBDR — 2つのアプローチ手法

インサイドセールスは、アプローチ方法によってSDRBDRの2種類に分類されます。

SDR(Sales Development Representative / 反響型)

マーケティングが獲得した問い合わせや資料請求などのインバウンドリードに対応するスタイルです。

特徴

  • 顧客の購買意欲が高い段階でアプローチできるため、商談化率が高い(20〜30%)
  • 速やかな対応(即時性)が求められる
  • 問い合わせから24時間以内に連絡することで、商談化率が大幅に向上

具体例
Web広告から資料請求した企業に、24時間以内に電話でアプローチ。「資料をご覧いただきありがとうございます。御社の〇〇という課題について、15分ほどお話しできませんか?」と商談化を促す。

BDR(Business Development Representative / 新規開拓型)

ターゲット企業を選定し、こちらから能動的にアプローチ(アウトバウンド)を行うスタイルです。

特徴

  • エンタープライズ(大手企業)攻略などで重要となる
  • 拒絶されることが多く、メンタルの強さが求められる
  • 商談化率は低い(5〜10%)が、成約時の案件規模が大きい

具体例
製造業の大手企業100社をリストアップし、経営層に直接アプローチメールを送信。「御社の業界では〇〇という課題があると伺いますが、弊社のソリューションで改善事例がございます」と興味を惹きつける。

SDRとBDRの比較表

項目SDR(反響型)BDR(新規開拓型)
アプローチ対象インバウンドリード(問い合わせ・資料請求)アウトバウンドリード(ターゲット企業)
商談化率高い(20〜30%)低い(5〜10%)
求められるスキル即レス力、ヒアリング力リサーチ力、メンタルの強さ
難易度

💡ポイント
企業の成長フェーズによって、SDRとBDRの比重が変わります。スタートアップ期はBDRで積極開拓、成長期はSDRで反響対応、というように使い分けるのが一般的です。

ISの主なKPIと評価指標

インサイドセールスの成果は、以下の4つのKPI(重要業績評価指標)で測定されます。

ISの主なKPI

KPI説明目標例
①行動量架電数・メール送信数1日50件の架電
②コンタクト率架電のうち、実際に担当者と話せた割合20%
③商談化率コンタクトのうち、商談化(アポイント獲得)できた割合25%
④有効商談数FSに引き継いだ商談のうち、実際に商談が実施された数45件/月

KPIの計算例

架電数:50件/日 × 20営業日 = 1,000件/月コンタクト率:20% → 200件コンタクト商談化率:25% → 50件商談化有効商談数:45件(FSが実際に商談を実施)

注意点:「質」のKPIも重視する

行動量(架電数)だけを追求すると「数打ちゃ当たる」になり、質が下がります。近年は、商談化率・有効商談数という「質」のKPIも重視する企業が増えています

具体例
「月間架電数1,000件、商談化率25%を達成。FSからの『有効商談だった』というフィードバック率も90%を維持」

ISの評価は「何件架電したか」ではなく、「FSに質の高い商談をどれだけ渡せたか」にシフトしつつあります。

第2章:インサイドセールスの具体的な業務フローと求められるスキル

第2章:インサイドセールスの具体的な業務内容と求められるスキル

ここでは、インサイドセールスの業務フローや求められるスキルを具体的に解説します。

第2章:インサイドセールスの具体的な業務内容と求められるスキル

ISの主な業務フロー(1日の仕事の流れ)

インサイドセールスの典型的な1日の流れを見ていきましょう。

1日のスケジュール例

時間業務内容
9:00-9:30メールチェック、リードスコアの確認
9:30-12:00架電(1日50件目標)
12:00-13:00昼休憩
13:00-15:00オンライン商談(2〜3件)
15:00-16:30フォローメール送信、CRM/SFAへの入力
16:30-17:30FSとの引き継ぎMTG、翌日の準備

主な業務フロー

①リードの評価
MA(マーケティングオートメーション)ツールなどを使い、顧客の関心度(スコア)を確認します。

例:「リードスコアが80点以上(Webサイトを3回訪問、資料を2回ダウンロード)の企業を優先的にリストアップ」

②アプローチ
電話やメールでコンタクトを取り、課題をヒアリングします。この際、BANT情報を確認することが重要です。

BANT情報とは

  • Budget(予算):導入予算はあるか?
  • Authority(決裁権):決裁権を持つ人は誰か?
  • Needs(ニーズ):どんな課題を抱えているか?
  • Timeframe(導入時期):いつまでに導入したいか?

③ナーチャリング(育成)
すぐに商談化しない顧客に対し、有益な情報提供を継続し、中長期的な関係を築きます。

例:「導入事例の資料を月1回送付」「ウェビナーの案内を送る」

④トスアップ(商談化)
確度が高まったタイミングでフィールドセールスに引き継ぎます。

具体例
「リードスコアが80点以上の企業に優先的に架電。BANT情報を確認し、『予算あり・3ヶ月以内に導入希望』と判明したため、FSにトスアップ」

ISに必須の3つのコアスキル

インサイドセールスで成功するためには、以下の3つのコアスキルが必要です。

①ヒアリング能力(傾聴力)

非対面であるため、声のトーンや言葉の端々から顧客の潜在ニーズを汲み取る力が最重要です。

ポイント

  • 「今お困りのことは?」ではなく、「〇〇という課題はありませんか?」と仮説を持って質問する
  • 顧客が話している時間を70%、自分が話す時間を30%にする

具体例
「御社では〇〇という課題があると伺いますが、いかがですか?」と仮説を持って質問することで、顧客の本音を引き出す。

②情報分析力

CRM/SFAなどのツールを使いこなし、過去の履歴や行動データから最適なアプローチ時期を見極める力が求められます。

ポイント

  • リードスコアリングやABテストで、アプローチ方法を改善する
  • 「どのリードが商談化しやすいか」をデータで分析する

具体例
Salesforceのダッシュボードで「メール開封率の高いリード」を優先的にアプローチ。

③簡潔な伝達力

短い時間で要点を伝え、相手の関心を惹きつけるトークスキルが必要です。

ポイント

  • 電話は平均3〜5分、メールは3行以内で要点を伝える
  • 「弊社のSaaSは、御社の〇〇という課題を△△で解決できます。詳細を15分ほどお話しできませんか?」

これらのスキルは、IS以外のキャリアパス(FS/CS/マーケ)でも共通して求められる「ポータブルスキル」です。ISで培ったスキルは、どの営業職でも活かせます。

ISが使いこなすべきツール

インサイドセールスは、以下の5つのツールを使いこなすことで業務効率を最大化します。

主要ツール一覧

ツール種類代表例主な役割
MA(マーケティングオートメーション)Marketo、Pardot、HubSpotリードの行動履歴を追跡し、スコアリング
SFA/CRM(営業支援システム)Salesforce、HubSpot CRM顧客情報の管理、商談進捗の記録
オンライン商談ツールZoom、Google Meet、Microsoft Teamsオンライン商談の実施
IP電話・CTIツールMiiTel、Kairos3通話録音・自動文字起こし・トーク解析
メール配信ツールOutreach、SalesLoftメール開封率・クリック率の追跡

各ツールの具体的な活用例

MAツール(Marketo)
リードの行動(Webサイト訪問、資料DL)を追跡し、「今アプローチすべきリード」を可視化。

SFA/CRM(Salesforce)
顧客情報を一元管理し、過去のやり取りを確認。「前回の商談で〇〇という課題を話していた」という情報をもとにアプローチできる。

CTIツール(MiiTel)
通話内容を自動録音・文字起こしし、トークの改善点をAIが分析。「トップセールスは顧客の話を聞く時間が70%、自分が話す時間が30%」といった気づきを得られる。

具体例
「MAツール(Marketo)で『資料を3回DLした企業』をリストアップ。Salesforceで過去のやり取りを確認し、MiiTelで架電。通話内容を自動録音し、上司からフィードバックをもらった」

これらのツールを使いこなせることは、転職時のアピールポイントになります。特にSalesforceのスキルは、多くのSaaS企業で求められます。

第3章:AI活用で進化するインサイドセールス — 2025年の最新トレンド

第3章:AI活用で進化するインサイドセールス — 2025年の最新トレンド

2025年現在、AI技術がIS業務を大きく変革しています。定型業務はAIが代替し、人間はより高度な「共感」や「複雑な課題の特定」に集中する時代へと移行しつつあります。AI活用スキルが、ISの市場価値を左右する重要な要素になっているのです。ここでは、具体的な内容を解説します。

AIによる業務の自動化・効率化

AIは、以下の3つの領域でIS業務を劇的に効率化しています。

①リスト作成・架電の自動化

AIがターゲットリストを自動生成し、オートコール機能で架電効率を上げます。

具体例
AIが「製造業・従業員100名以上・東京都・直近3ヶ月でWebサイト訪問」という条件で自動リストアップ。優先順位をつけてアプローチできる。

②トーク解析

「MiiTel」などのツールにより、通話内容を自動録音・文字起こし・要約します。

トップセールスの話し方をAIが解析し、フィードバックを行うことでスキルの標準化が進んでいます。

具体例
MiiTelが「トップセールスは顧客の話を聞く時間が70%、自分が話す時間が30%」と分析。自分のトーク比率を改善することで、商談化率が向上。

③スクリプト生成

生成AI(ChatGPT等)を活用し、顧客ごとのトークスクリプトやメール文面を自動生成します。

具体例
ChatGPTに「製造業・納期遅延に悩んでいる・予算500万円」という情報を入力し、最適なトークスクリプトを生成。

主要AIツール一覧

ツール名主な機能
MiiTel通話録音・文字起こし・トーク解析
ChatGPTトークスクリプト・メール文面の生成
Salesforce Einsteinリードスコアリングの自動化

人間の役割の変化 — AIには代替できないスキル

定型的なアプローチはAIが担うため、人間はより高度な「共感」や「複雑な課題の特定」といった、AIには代替できないコミュニケーションに集中する必要があります。

AIが得意なこと vs 人間にしかできないこと

AIが得意なこと人間にしかできないこと
リスト作成・データ分析顧客の感情を読み取る
定型的なメール送信複雑な課題を深掘りする
通話内容の文字起こし信頼関係を構築する
トークスクリプトの生成予期しない質問に柔軟に対応する

今後のISに求められるスキル

①共感力
AIが生成したスクリプトをベースに、顧客の感情に寄り添った対話ができる。

②仮説思考力
データを見て「なぜこのリードは商談化しないのか?」と仮説を立てられる。

③AI活用力
AIツールを使いこなし、業務効率を最大化できる。

具体例
「AIが生成したトークスクリプトを使って架電したが、顧客の反応が悪かった。そこで、『御社の業界では〇〇という課題があると伺いますが』と、業界特有の課題に踏み込んだ質問に変更したところ、商談化に成功した」

AIを「脅威」ではなく「武器」として使いこなせる人材が、今後のISで生き残れるでしょう。

第4章:インサイドセールスから進める5つのキャリアパス

第4章:インサイドセールスから進める5つのキャリアパス

インサイドセールスのキャリアパスは、「FSに昇格」だけではありません。以下の5つの選択肢があり、それぞれに適性とメリット・デメリットがあります。自分の強み・志向性に合わせて選択することが重要です。ここでは、その具体的なキャリアパスについて解説します。

キャリアパス①フィールドセールス(FS)への昇格 — The Model型の王道ルート

こんな人に適性がある

  • 対面での商談や提案が得意
  • 大型案件の受注に挑戦したい
  • 年収を大きく上げたい(インセンティブ比率が高い)

このキャリアのメリット

✅ 受注という「成果」が明確で、達成感が大きい
ISはアポイント獲得まで、FSは受注まで。最終的な成果を自分の手で勝ち取る喜びを味わえます。

✅ インセンティブで年収を大きく伸ばせる

  • IS:400〜600万円
  • FS:600〜1,000万円以上(インセンティブ込み)

✅ 営業プロセス全体を経験でき、キャリアの幅が広がる
リード獲得(マーケ)→育成(IS)→受注(FS)→活用支援(CS)という全体像を理解できるようになります。

デメリット・注意点

❌ 対面商談が中心になるため、出張や移動時間が増える
リモートワークメインのISと比べ、顧客先への訪問が増えます。

❌ 受注プレッシャーがISより大きい
「今月の受注目標:5,000万円」といった高いノルマが課せられることもあります。

ISからFSに昇格するための条件

  1. 商談化率が部門平均以上(例:月間アポイント獲得数30件以上)
  2. 提案書作成や商談同行の経験がある
  3. 顧客の課題を深掘りし、解決策を提案できる

キャリアパス②カスタマーサクセス(CS)への転身 — 顧客の成功を支援

こんな人に適性がある

  • 顧客と長期的な関係を築くのが得意
  • 新規開拓よりも既存顧客のフォローが好き
  • 「売る」よりも「支援する」ことに喜びを感じる

このキャリアのメリット

✅ 解約防止・アップセルという明確なミッションがある
受注後の顧客に対し、製品の活用支援を行い、契約継続率(リテンション)を高めます。

✅ 顧客から「ありがとう」と感謝されることが多く、やりがいが大きい
「御社のおかげで業務効率が30%改善しました」といった感謝の言葉が、直接聞けます。

✅ ノルマのプレッシャーがFSより少ない
解約率(チャーン)の管理が中心なので、FSのような「今月〇〇万円受注」というプレッシャーは少なめです。

デメリット・注意点

❌ 新規開拓のスキルが身につかない
既存顧客のフォローが中心なので、新規開拓のスキルは磨きにくいです。

❌ インセンティブ比率が低く、年収の伸びがFSより緩やか
CS:500〜800万円程度が一般的です。

ISからCSに転身するための条件

  1. 顧客とのコミュニケーション力(ヒアリング・提案)
  2. 製品知識の深い理解(導入後の活用支援ができるレベル)
  3. データ分析力(顧客の利用状況を分析し、解約リスクを予測)

キャリアパス③マーケティング職へのピボット — リード獲得の上流工程へ

こんな人に適性がある

  • データ分析や戦略立案が得意
  • 「個別対応」よりも「仕組み化」に興味がある
  • Web広告やコンテンツ制作に関心がある

このキャリアのメリット

✅ 営業の上流(リード獲得)に関われる
ISが対応するリードをどう獲得するかという戦略立案に携われます。

✅ マーケティングスキルは汎用性が高く、転職市場での価値が高い
Web広告、SEO、コンテンツマーケティングのスキルは、どの業界でも需要があります。

✅ クリエイティブな仕事ができる
コンテンツ制作、イベント企画、ウェビナー運営など、創造的な業務に関われます。

デメリット・注意点

❌ ISで培った「個別対応力」よりも「全体最適化」が求められる
1社1社に丁寧に対応するISと異なり、マーケティングは「1,000社にどうアプローチするか」という視点が必要です。

❌ 成果が出るまで時間がかかり、短期的な達成感が得にくい
SEOやコンテンツマーケは、効果が出るまで3〜6ヶ月かかることも。

ISからマーケティングに転身するための条件

  1. リードの質(リードスコアリング)を理解している
  2. データ分析力(どのチャネルから質の高いリードが来るか分析できる)
  3. マーケティング知識(Web広告、SEO、コンテンツマーケティング)の基礎

具体例

「ISとして『どのリードが商談化しやすいか』を分析した経験を活かし、マーケティング部門に異動。リードスコアリングの改善により、商談化率を20%向上させた」

NotebookLMからの補足

ISは「顧客が何に反応するか」という生の声(VOC)を最も知っているため、リード獲得施策やコンテンツ企画を行うマーケターとしての適性が高いのです。

キャリアパス④ISマネージャー・組織開発 — IS専門職として深化

こんな人に適性がある

  • 電話・オンライン商談が得意で、対面営業に抵抗がある
  • データ分析や仕組み化に興味がある
  • リモートワークを継続したい

このキャリアのメリット

✅ IS業務を極めることで「IS専門家」として市場価値が高まる
「ISのプロ」として、他社からの引き合いも増えます。

✅ マネージャーになれば、チーム全体の商談化率向上という戦略的な仕事ができる
トークスクリプト改善、ABテスト実施、メンバー育成など、組織全体の生産性を高める仕事に携われます。

✅ フルリモート勤務が可能な企業も多い
対面営業が不要なので、地方在住でも働きやすいです。

デメリット・注意点

❌ 「FSを経験していない」ことで、営業全体の理解が浅くなる可能性
受注プロセスを経験していないと、FSとの連携で齟齬が生まれることも。

❌ IS専門職のポジションが少ない企業では、キャリアの天井が低い
大手SaaS企業以外では、ISマネージャーの上のポジションが少ない場合があります。

ISマネージャーの主な業務

  1. IS組織のKPI管理(架電数、商談化率など)
  2. スクリプト改善、ABテストの実施
  3. メンバー育成、1on1ミーティング

市場価値を高めるために必要なスキル

  • データ分析力(商談化率の改善、ABテストの実施)
  • チームマネジメント力(新人ISの育成、KPI管理)
  • マーケティング知識(リードスコアリングの改善提案)

キャリアパス⑤他業界・他職種への転職 — ISスキルの転用

こんな人に適性がある

  • SaaS/IT業界以外に興味がある
  • ISで培ったスキルを他の領域で活かしたい
  • ワークライフバランスを重視したい

転職先の例

転職先ISスキルが活きる理由
①人材業界のCA/RAヒアリング力・コミュニケーション力を活かせる
②事業会社の営業企画・営業推進データ分析力・仕組み化スキルを活かせる
③コンサルティング営業課題発見・提案力を活かせる
④BtoB企業の営業(メーカー・商社)法人営業の経験を活かせる

ISスキルが活きる理由

✅ ヒアリング力 → どの営業職でも必須
顧客の課題を引き出す力は、業界問わず重宝されます。

✅ データ活用力 → 営業企画・マーケティングで重宝される
Salesforceやデータ分析のスキルは、他業界でも需要があります。

✅ オンライン商談スキル → リモート営業が増えている今、強みになる
対面営業が減り、オンライン商談が主流になっている業界も増えています。

注意点

❌ 業界が変わると、商材知識をゼロから学び直す必要がある
SaaSと製造業では、商材の理解に時間がかかります。

❌ IS専門職より「営業全般の経験」を求められる場合もある
「ISしか経験していない」と、一気通貫型の営業職では不利になることも。

第5章:市場価値を高めるためにISとして「今」やるべき5つのアクション

第5章:市場価値を高めるためにISとして「今」やるべき5つのアクション

ここまで、ISのキャリアパスを5つ紹介してきました。どの道を選ぶにしても、ISとしての市場価値を高めることが重要です。

以下の5つのアクションは、いずれも日々の業務の中で実践できるものばかりです。一つずつ取り組むことで、転職や昇格の選択肢が広がっていくでしょう。

商談化率を部門平均以上に高める

商談化率の重要性

商談化率は、ISとしての成果を示す代表的な指標です。FSへの昇格や転職時の面接では、この数値を問われることが多くあります。

一般的な商談化率の目安は15〜25%程度とされていますが、企業や商材によって基準は異なります。まずは自社の平均値を把握し、それを上回ることを目標にすると良いでしょう。

商談化率を高めるための改善策

トークスクリプトの見直し

「今お困りのことはありますか?」という漠然とした質問では、顧客は答えに迷いがちです。

導入事例や業界の一般的な課題を事前に調べておき、「御社の業界では〇〇という課題を抱えている企業が多いのですが、いかがでしょうか?」と具体的な仮説を持って質問する方が、顧客の本音を引き出しやすくなります。

リードスコアリングの活用

MAツールを使っている企業では、リードスコアリング機能が実装されているケースがあります。

Webサイトの訪問回数や資料ダウンロードの履歴などから、購買意欲の高さを数値化する仕組みです。スコアの高いリードを優先的にアプローチすることで、効率的に商談化を進められる可能性が高まります。

振り返りと記録

商談化に至らなかった案件について、その理由を記録しておくことが有効です。

  • 予算の問題だったのか
  • 導入時期が合わなかったのか
  • そもそもニーズがなかったのか

こうした記録を蓄積し、月次で振り返ることで、自分のアプローチの傾向や改善点が見えてきます。

データ分析力を磨く

データで語る重要性

「商談化率が高い」と口で言うだけでは、説得力に欠けます。Salesforceやスプレッドシートで自分の実績を可視化し、数字で語れるようになると、社内での評価や転職時のアピールにつながりやすくなります。

習得すべきスキル

Excel
ピボットテーブルやVLOOKUP、IF関数などの基本的な関数を使えるようになると、データの集計や分析が格段に楽になります。

Salesforce
レポート機能やダッシュボードの作成方法を学ぶことで、自分の活動実績を可視化できます。多くのSaaS企業で導入されているため、このスキルは転職時にも有利に働きやすいです。

BIツール
Looker StudioやTableauといったBIツールの基礎を学んでおくと、より高度なデータ分析が可能になります。

実践方法

自分の架電数、コンタクト数、商談化数を週次でまとめ、商談化率の推移を追ってみましょう。また、業界別やリードスコア別に商談化率を分析すると、「どの条件のリードが商談化しやすいか」といった傾向が見えてきます。

こうした分析結果をもとに、上司や同僚に改善提案を行うことで、社内での評価向上にもつながりやすくなります。

FSの商談に同行し、提案の流れを学ぶ

同行の重要性

ISからFSへの昇格を希望する場合、商談経験の有無が評価のポイントになることがあります。

実際の商談の流れや提案書の構成、クロージングの進め方などは、ISの業務だけでは学びにくい領域です。FSの商談に同行することで、こうしたスキルを実地で習得できます。

同行時に注目すべきポイント

顧客の課題のヒアリング方法
FSがどのように顧客の課題を深掘りしているか、質問の順序や言い回しに注目してみましょう。

提案書の構成
課題の整理、解決策の提示、導入効果の説明、価格提示の順序など、提案の流れを観察することで、自分が将来FSになったときの参考になります。

クロージングのタイミング
どのタイミングで契約の話を切り出すか、顧客の反応に応じてどう対応するかといった実践的なスキルを学べます。

実践方法

月に1〜2回、FSの商談に同行させてもらえるよう上司に相談してみましょう。同行後は、学んだポイントをメモにまとめ、自分のトークや提案に活かすことが大切です。

また、FSが作成した提案書を見せてもらい、構成や訴求ポイントを分析することも有効です。

業界知識・製品知識を深める

知識の重要性

ISは「アポイントを取るだけの仕事」と誤解されることもありますが、実際には顧客の課題を理解し、製品の価値を伝えることが求められます。

業界知識や製品知識が深い人材は、ISとしての成果を上げやすいだけでなく、FS・CS・マーケティングのどの職種に進む場合でも評価されやすくなります。

知識を深める方法

導入事例の読み込み
自社の導入事例を全て読み、どの業界の、どんな課題を、どう解決したのかを整理しましょう。これにより、業界ごとの典型的な課題パターンが見えてきます。

業界ニュースのチェック
担当する業界の専門メディアやニュースサイトを日々チェックする習慣をつけると、顧客との会話の引き出しが増えます。

製品理解の深化
製品のデモ動画を繰り返し視聴したり、社内の勉強会に参加したりすることで、製品の機能や強みを深く理解できます。競合製品との違いも整理しておくと、顧客からの質問に答えやすくなります。

実践方法

架電前に、その企業の業界動向や直近のニュースを5分程度調べる習慣をつけましょう。「最近、御社の業界では〇〇が話題になっていますが、御社ではいかがですか?」と話を切り出すことで、顧客の関心を引きやすくなります。

社外の勉強会・コミュニティに参加する

社外ネットワークの重要性

社内だけで仕事をしていると、視野が狭くなりがちです。社外のISや営業職と情報交換することで、他社の事例やトレンドを知ることができます。

また、転職を考える際にも、こうしたネットワークが役立つことがあります。

参加できるコミュニティの例

オンラインコミュニティ
オンラインコミュニティでは、IS向けの情報交換やイベントが定期的に開催されています。

勉強会・セミナー
SaaS営業やインサイドセールスをテーマにした勉強会が、各地で開催されています。オンライン形式のものも多いため、気軽に参加しやすいでしょう。

SNSでの情報収集
LinkedInやX(旧Twitter)で、IS・SaaS営業の専門家をフォローすると、最新のトレンドや実践的なノウハウを得られます。

実践方法

まずは、月に1回程度、オンラインイベントや勉強会に参加してみましょう。そこで得た知識や事例を、自分の業務に取り入れてみることが大切です。

また、同じ立場のISと交流することで、悩みを共有したり、モチベーションを高め合ったりすることもできます。

インサイドセールスの教科書 まとめ

インサイドセールスの教科書 まとめ

インサイドセールスは、単なる「テレアポ係」ではありません。データとツールを活用して顧客との接点を作り、商談機会を生み出す専門職です。

SaaS業界を中心に需要が高まっており、営業、マーケティング、カスタマーサクセスのいずれにも展開可能な「キャリアのハブ」として、未経験からでも挑戦しやすい職種と言えます。

ISで得た経験は、決して無駄にはなりません。まずは自分の適性や志向を見極め、目指すキャリアパスに向けて一歩を踏み出してみてください。

あわせて読みたい営業職関連記事の紹介

あわせて読みたい営業職関連記事の紹介

The Model型営業の全体像をより詳しく知りたい方

営業職大辞典のType1:デジタル・サブスクリプション型をご覧ください。IS・FS・CS・マーケティングの役割分担と、それぞれに求められるスキルを体系的に理解できます。

IT業界以外の営業職にも興味がある方

営業職の種類を業界別に徹底解説をご覧ください。人材・メーカー・金融など、IS経験を活かせる他業界の営業職を比較できます。

今のISの仕事がきついと感じている方

営業職の特徴ごとに「きつい」と感じる要素を解説した記事をご覧ください。きつさの原因を診断してみてください。IS特有の負荷ポイントと対処法を解説しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

筆者紹介

・元 転職エージェントキャリアアドバイザー
 営業職の方を中心に、転職活動をサポート
 累計カウンセリングは3,500件以上/転職斡旋人数は約400名
・現在はフリーランスマッチングサービスに在籍
・自閉症っ子・発達障害っ子のお父ちゃん
【保有資格】
国家資格キャリアコンサルタント/ GCDF-Japanキャリアカウンセラー
プロティアン認定ファシリテーター

コメント

コメントする

目次