すっかり久しぶりの更新となりました。インフルエンザも猛威を振るっておりますが、皆様お変わりございませんか?
曇り空が続くと憂鬱な気持ちにもなりがちなので、日差しを浴びながら心も体もリフレッシュしましょう!
さて、今日もゆるく新聞記事をもとに、周辺情報を収集しながら、インプットのためのアウトプットをしていきます!
今回目に留まった記事は💁
日経平均が最高値でも人員削減1万人超え 黒字リストラ6割超の衝撃 日本経済新聞

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日経新聞で「黒字リストラが増えている」と記事に取り上げられています。私が人材紹介事業に所属していた2020年頃にはカウンセリングでトークに利用した記憶があり、黒字リストラ自体はこの数年で始まったことではありません。一方で、日経平均株価は過去最高を記録する中で「なんで黒字なのにリストラするの?」という疑問も当然湧き上がってきます。



記事をもとに掘り下げていきます!
黒字にもかかわらず早期退職が増える動きは、いまの働く環境を象徴する変化といえます。最新データでは黒字企業のリストラが平常化し、人手不足と人員削減が同時に進むという矛盾した状況も見えています。とはいえ、この流れは突然現れたものではなく、1990年代の構造改革から続く長い変化の延長線上にあります。
DXやAIの浸透によって求められるスキルが変わり、企業が“必要な人材の基準”を大きく見直している点も無視できません。こうした環境の中で自分のキャリアをどう守るか、どこに投資すべきかを考えることが重要になります。
このコラムでは、歴史的背景とキャリア理論をもとにしながら、これからの時代に必要な具体的行動を整理し、自分らしいキャリアをつくるためのヒントを紹介していきます。


黒字リストラはなぜ起きる?──30年の歴史で読み解く背景


1990年代の構造改革と“黒字でも人を減らす”発想の始まり
黒字リストラの発想は突如生まれたわけではなく、1990年代の大規模な構造改革に源流があります。象徴的なのが、1998年の日産自動車の2万1,000人削減や、1999年NECの1万5,000人削減です。当時どちらも黒字で推移しており、「不況だから減らす」というより、競争力強化のために人員ポートフォリオを組み替える動きでした。
これ以降、終身雇用の実質適用範囲は縮小し、社外にキャリアを求める動きも広がりました。歴史を振り返ると、いま起きている黒字リストラはその延長線上にあります。まずは、この30年の流れを前提として、自分のキャリアが“会社モデル前提”になっていないか振り返る時間を持つことが大切だといえるでしょう。
2020年代に黒字リストラが加速している本当の理由
2020年代に入り、黒字リストラは一時的な現象ではなく“構造的な施策”として定着しつつあります。背景には、DXへの投資が進むことで職種ごとの必要スキルが大きく変わり、既存の働き方がそのままでは競争力を維持できなくなっている現実があります。
また、50代を中心とした管理職層が再配置しにくい状況も続き、企業は黒字でも人員をスリム化する判断を取りやすくなりました。東京商工リサーチのデータでも、早期退職募集の約7割が黒字企業です。こうした構造は今後も続くため、「自社にいれば安泰」という考え方は現実とギャップがあるかもしれません。だからこそ、会社の動向に左右されず、自分のキャリアを主体的に設計する視点が欠かせない時代に入っています。
◆リストラ・早期退職を実施した企業例
✅2000年代(2000-2009年)
2001年 東芝:17,000人削減、1,200億円のリストラ費用
✅2010年代前半(2010-2014年)
2012年
・シャープ:5,000人削減(うち希望退職2,000人)→実際応募2,960人
・NEC:1万3,000人削減(希望退職2,393人応募)
・ルネサスエレクトロニクス:5,000人募集
・ソニー:1万7,100人削減
2013年
・富士通:1万2,600人削減(国内3,000人、海外2,000人、半導体関連4,500人転籍)
・パナソニック:大規模人員削減実施
・東芝:映像事業で約3,000人規模に縮小
2014年
・ルネサスエレクトロニクス:約1,800人が希望退職(12月)
✅2010年代後半(2015-2019年)
2018年
・富士通:2,850人退職(45歳以上対象)
2019年
・東芝:東芝デバイス&ストレージで350人募集→414人応募
・日産自動車:世界で1万人以上の人員削減計画発表
※早期退職実施企業の約6割が黒字企業(この年から黒字リストラが顕著に)
✅2020年代前半(2020-2022年)
2020年
・ファミリーマート:800人募集→1,025人応募(うち正社員924人)
・LIXILグループ:第1回:50歳以上対象で497人応募/第2回:40歳以上・勤続10年以上で1,200人募集
※上場企業72社が実施(2010年以来10年ぶりの高水準)
2021年
・富士通:間接部門対象に実、早期退職募集人数:約1万6,000人(2年連続で1万5,000人超)
2022年
・実施企業38社(3年ぶりの30社台、コロナ禍以降で最少)
✅2020年代後半(2023-2025年)
2023年 黒字企業による構造改革型リストラの本格化
2024年(57社、1万9,000人)
・オムロン:1,000人募集(特別損失210億円)
・コニカミノルタ:国内外で2,400人募集(特別損失200億円)
・資生堂:資生堂ジャパンで1,500人募集(45歳以上・勤続20年以上、特別損失180億円)
・富士通:間接部門幹部社員対象(特別損失200億円)
・武田薬品工業:人数上限設定なし
・リコー:1,000人募集
・第一生命HD:1,000人募集(50歳以上対象)
・住友ファーマ:約700人募集→604人応募(40歳以上・勤続5年以上)
・日産自動車:国内外で9,000人募集
・カシオ計算機:早期退職実施
・ワコールHD:早期退職実施
・三菱ケミカル:大規模募集
※黒字企業が約6割を占める
✅2025年(11月10日時点で41社、1万1,045人)
・パナソニックHD:1万人削減計画(49-59歳・勤続5年以上対象)
・三菱電機:約1万人対象(53歳以上・勤続3年以上、人数上限なし)
・日産自動車:国内で数百人規模(国内18年ぶり、世界で2万人削減の一環)
・明治ホールディングス:実施発表
・オリンパス:実施発表ジャパンディスプレイ:大型募集
黒字リストラ時代に重要となる“現在地チェック”
歴史や企業側の事情を理解したうえで、最初に取り組みたいのは“自分の現在地の可視化”です。たとえば、仕事の経験が他社でも通用する内容か、スキルが社内固有になりすぎていないか、最近の役割が「管理・調整中心」になっていないかなどを丁寧に点検してみると、キャリアの危険ラインが見えやすくなります。
また、転職市場で一定の需要があるスキルを持っているか、年齢に関係なく学び続けているか、といった視点も重要です。こうした棚卸しを行うことで、「いまの会社ありき」だったキャリアから一歩距離を置き、自分が市場価値をどう高められるかを考える準備が整います。



大きな行動に移る前に、まずは自分の立ち位置を正しく把握することが、安定したキャリア戦略の第一歩になります
人材不足なのに黒字リストラする理由──企業側の“人的資本最適化”を知る


企業固有スキルの価値低下と、デジタル一般スキルの急上昇
人材不足が続いているにもかかわらずリストラが進む背景には、求められるスキル構造の変化があります。研究では、企業固有スキルは年5〜6%のスピードで陳腐化しやすく、特定企業でしか役に立たない知識や手法は長期的な価値を維持しにくいとされています。
一方、デジタル一般スキルやデータ活用スキルなどは、どの業界でも転用性が高いため需要が伸びています。DXが急速に進む中で、企業は限られたリソースを“伸びる領域”に集中させざるを得ず、その結果として固定的な役割を担う人材が整理対象になりやすい構造が生まれています。まずは、自分のスキルが「この会社限定なのか」「市場でも通じるのか」を仕分けることが、変化に備えるうえでの重要な起点になります。
50代管理職がターゲットになりやすい構造的理由
黒字リストラの対象が50代管理職に偏りやすい点にも、明確な理由があります。多くの企業では、管理・調整を中心としたジェネラリスト型の役割が長く続き、プレーヤーとしてのスキルアップ機会が限定されがちでした。そのため、DXや事業転換が求められた瞬間に、専門性の不足やITスキルのギャップが顕在化しやすくなります。
また、管理職の年収レンジが高いため、人件費最適化の観点でも“最も効果が出やすい層”として扱われがちです。この構造は個人の努力だけで変えにくいため、自分のキャリアが“年齢と役職に依存したモデル”になっていないかを早めに点検することが重要です。役職に関係なく、専門性・学習習慣・外部ネットワークを強めることが、長期的なキャリア安定につながります。
黒字リストラ時代に取るべき“スキル棚卸し3ステップ”
変化が激しい時代ほど、自分が持つスキルを整理し、どれだけ転用可能なのかを把握しておくことが重要です。
まず取り組みたいのは、①現在の業務を構成するスキルを洗い出し、「社内固有」と「社外でも通じるもの」に分ける作業です。つぎに、②社外で評価されるスキルの中から、自分の強みになる領域を明確にします。たとえば、折衝力、資料設計、データ整理など、思っている以上に“どこでも使える要素”が含まれているはずです。最後に、③デジタル基礎スキル(AI活用、データ分析、ITリテラシー)をどこまで習得するかを決め、週3時間ほどの学習プランを作ると、変化に強いキャリアの土台ができます。
棚卸しは一度きりではなく、半年に一度の見直しを習慣にしていくと、市場価値の変化にも対応しやすくなります。
黒字リストラ時代に折れないキャリアを作る!おすすめキャリア理論


自己主導でキャリアを描く“プロティアン”という考え方
プロティアンキャリアは、キャリアの主導権を企業ではなく個人が持つという考え方です。働き方を価値観に合わせて柔軟に選び、環境が変わっても自分にとって大切な軸を基準にキャリアを更新していきます。プロティアンな姿勢を持つ人は仕事のパフォーマンスや環境適応力が高く、変化が激しい時代ほど成果を出しやすい傾向が示されています。
会社の評価や昇進にキャリアのすべてを委ねるのではなく、やりたいこと・得意なことを主体的に組み合わせる姿勢が重要です。まずは、自分の価値観を書き出し、「どう働きたいのか」「何を大切にしたいのか」を言語化するだけでもキャリアの軸が明確になります。主体性を育てる第一歩として、価値観に合った小さな選択を日々積み重ねていくことが鍵になります。


会社の外にも軸を持つ“境界なきキャリア”の意味
境界なきキャリアは、一社の枠に閉じず、組織や業界を越えた経験を重ねることでキャリアの自由度を高める考え方です。越境という言葉に言い換えることもでき、近年では副業やプロボノなどで注目されています。
ネットワークや専門性が複数の場所に広がるほど、選択できる機会も増え、変化の影響を受けにくくなります。たとえば、社外の勉強会で得た知見を本業に持ち帰る、異業種のプロジェクトに参加する、副業で別の業界の仕事を経験するなど、境界を越える行動は意外と身近です。キャリア研究では、こうした“社外の軸”を持つほどキャリア満足度が高まりやすいことも報告されています。
まずは、自分が関心を持てるコミュニティを一つ開拓してみることが、境界なきキャリアの実践につながります。外の視点を取り込むことで、キャリアの選択肢が自然と広がり始めます。


キャリア適応資源(関心・統制・好奇心・自信)を高める具体行動
サヴィカスのキャリア構築理論では、変化に負けないキャリアには「関心」「統制」「好奇心」「自信」という4つの適応資源が重要だとされています。これらは特別な才能ではなく、日常の行動で高められる資質です。
たとえば、将来への「関心」を高めるには、1年後・3年後の働き方を言語化してみるだけでも十分です。「統制」は、選択を自分で決める小さな習慣(学ぶ時間を自分で決めるなど)で育ちます。「好奇心」は、週1回だけでも本やイベントで新しいテーマに触れることで広がります。そして「自信」は、小さな成功体験を積み上げることで育ちます。
これら4つを意識して行動すると、会社がどう変わってもキャリアが折れにくい土台ができていきます。まずは週に1つ、どれかの資源を意図的に育てる行動を試すことから始めてみると、変化に対する強さが自然と増していきます。
黒字リストラ時代に副業・越境学習はなぜ効くのか


副業がキャリア満足度とスキル習得を高める理由
副業は収入を増やす手段として語られがちですが、キャリア研究の視点からみると“レジリエンスを高める仕組み”として効果が大きいと言われています。労働政策研究・研修機構の調査でも、副業をしている人の20.2%が「自分が活躍できる場を広げたいから」と回答しています。金銭的な理由に次いで、キャリアの充実が行動誘因となっていることがわかります。


副業を通じて成長実感を得られる理由は、本業とは別の経験値が積み上がり、専門性や実践スキルの幅が広がるためです。また、収入源が複数になることで心理的な安心感も生まれやすく、会社の変化に左右されにくくなります。特に、デジタル関連の副業は本業では得にくい実務経験が得られやすく、スキル転換を進めたい人に向いています。



まずは小さな案件から始めたり、得意領域を活かせるマッチングサービスに登録することで、負担なく最初の一歩を踏み出せます


越境学習の効果──異業種経験がキャリアを伸ばすメカニズム
越境学習は、異なる業界やコミュニティを行き来しながら学ぶ取り組みで、創造性や適応力の向上に効果があります。実証研究では、越境経験を持つ人はキャリア満足度が42%高いというデータもあり、社内だけでは得られない視点や思考の柔軟性が身につきやすいとされています。
異業種の仕事の仕方や価値観に触れることで、自分の強みの再発見ができたり、新しい役割を担いやすくなります。越境学習は大げさな取り組みである必要はなく、コミュニティ参加や外部セミナー、プロボノ活動など、身近な場でも十分効果を発揮します。会社とは別の軸で学ぶ場を持つことで、変化への耐性がぐっと高まり、キャリアの選択肢も自然に広がっていきます。
黒字リストラ時代にすぐできる“小さな越境案”
越境学習や副業に興味はあっても、「何から始めればいいかわからない」という方も少なくないでしょう。
今日から取り組める“小さな越境”の例としては、まずは週1回だけでも外部のオンラインイベントや勉強会に参加することが良いきっかけになります。また、プロボノやコミュニティ運営など、スキルを活かしたボランティア活動も越境経験として価値があります。
副業に挑戦したい場合は、スキルシェアサービスで小さな案件を受けたり、SNSで自分の知識を発信するところから始めても構いません。重要なのは規模の大きさではなく、「会社以外の学びの場を持つ」という姿勢です。小さな行動を積み重ねることで、キャリアの軸が複数に増え、変化に強い働き方へ徐々にシフトできます。
黒字リストラ時代のこれからのキャリアは“ポートフォリオ型”で設計する


1社の物語から卒業する──3つのキャリア軸を持つ考え方
これからのキャリアは「会社に合わせて積み重ねるもの」から、「自分が軸を設計し、複数の場で育てていくもの」へ変わっています。特に不確実性が高まる今は、1社に依存したキャリアではリスクが大きく、自分の“軸”を会社の外にも持っておくことが重要です。
具体的には、①専門性の軸(得意分野や知識)、②経験の軸(異業種・異職種での学びや実績)、③収入源の軸(副業など複数経路)の3つを組み合わせて設計する考え方が役立ちます。これらの軸が増えるほど、キャリアの安定性は高まり、新しいチャンスにもアクセスしやすくなります。



まずは、現状どの軸が強く、どの軸が弱いのかを整理し、3つのバランスを整えるところから始めるとキャリアが動きやすくなります
ポートフォリオ思考でキャリアを安定させる
ポートフォリオ思考は、金融の世界の“分散投資”と似ています。キャリアも一本の道に絞り込むほど不安定になり、複数の領域で経験やスキルを育てておくほど、変化に強くなります。
たとえば、本業で専門性を伸ばしながら、社外プロジェクトで別の役割を担い、副業で実務経験を積む──このように複数の場で経験を積むことで、どこかが不調でもキャリア全体が揺らぎにくくなります。さらに、異なる活動が相互に補完し合い、新しい視点やスキルが育つメリットもあります。
まずは「本業以外に、小さな活動を1つ増やす」ことを目標に設定するだけで、キャリアの安定性は段階的に高まっていきます。
3年スパンで見直す“キャリア資産の棚卸しシート”
ポートフォリオ型キャリアを実践するには、定期的な棚卸しが重要です。特に3年スパンでキャリア資産を見直す習慣を持つと、自分の変化と可能性が整理しやすくなります。
棚卸しでは、①スキル資産(業務スキル、デジタルスキル、コミュニケーション力など)、②経験資産(担当業務、プロジェクト、越境経験)、③ネットワーク資産(社内外のつながり)、④マネー資産(収入源、投資、固定費の構造)をそれぞれ言語化します。こうして可視化すると、強みが発揮できていない領域や、新しく伸ばしたい分野が自然と見えてきます。
次の3年で積み上げたいテーマを決め、小さな行動に落とし込むことで、キャリアの自由度を自分で広げていくことができます。
黒字リストラに関する記事まとめ


黒字リストラが続く背景には、景気の良し悪しでは説明しきれない構造的な変化があります。30年かけて終身雇用は徐々に縮小し、DXの加速によって企業が求めるスキルも大きく変わりました。こうした状況では、企業にキャリアを委ねてしまうほど不安定になりやすく、一人ひとりが自分の軸を持つことがますます大切になっています。
今回紹介したプロティアンキャリアや越境学習、副業を通じたスキル転換は、キャリアの選択肢を広げ、変化に強い働き方を支える土台になります。特別なステップを踏む必要はなく、小さな行動を積み重ねるだけでも未来の選択肢は確実に増えます。



不確実な時代だからこそ、会社ではなく自分に投資する姿勢を持ち、キャリアの自由度を広げる一歩を今日から始めてみてください












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