データで読む転職市場:リクルート・dodaが示す最新動向とキャリアのヒント(「転職して賃金増えた」過去最高/中途求人倍率3倍超え、過去2番目の高水準)

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2024年の転職市場は、活況が続いていると言われています。

リクルートやdodaの調査結果を見ると、賃金が増加した転職者の割合や求人倍率が依然として高い水準を維持しており、特にIT系エンジニアや機械・電気・化学エンジニアなどの専門職において、転職後の待遇改善が目立ちます。

しかし、表面上のデータだけで「転職が有利」と結論づけるのは早計かもしれません。例えば、dodaのデータでは、2023年同時期と比較して求人倍率が低下している事実や、リクルートの調査で見えてくるDX関連職種の需要変化といった、深掘りするべきポイントがいくつも存在します

本記事では、転職市場のデータを基にトレンドを読み解き、好調な市場の裏にある課題やリスクにも目を向けます

そして、ビジネスパーソンとしてこの状況をどう受け止め、どのように行動していくべきかを考察します。スキルアップや専門性の追求が引き続き重要ですが、キャリアの柔軟性を持ちながら、より広い視野で自身の可能性を探ることが求められるでしょう。

この記事では以下2つのデータを参照しています
✅doda
転職マーケットの”今”を知る! 2025年1月23日発表
転職求人倍率レポート(2024年12月)
https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/
✅株式会社リクルート
2024 年 10-12 月期 転職時の賃金変動状況
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20250123_work_01.pdf

データから考察していきましょう!

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目次

doda発表の転職倍率の傾向を分析

doda発表の転職倍率の傾向を分析

求人倍率は高水準を維持

2024年12月におけるdodaの転職求人倍率は3.15倍となり、前月比で0.33ポイント上昇しました。

doda 転職求人倍率レポート
出典:doda 転職求人倍率レポート(2024年12月)

この水準は、2020年以降の転職市場全体の回復基調を象徴するものであり、企業の採用意欲が引き続き高いことを示しています。

doda 転職求人倍率レポート
出典:doda 転職求人倍率レポート(2024年12月)

特に人材サービス業や技術系アウトソーシング業界で求人数の増加が見られ、これが求人倍率全体を押し上げる要因となっています。一方で、建設や不動産、メディアといった業種では求人の減少が報告されており、業界間での温度差が広がりつつあることも特徴的です。

求人数と転職希望者数の減少が同時に起こる中、求人数の減少幅よりも転職希望者数の減少幅が大きいことが、結果として求人倍率の上昇につながっています。この現象は、特に年末の時期に転職活動を控える人が増える傾向による一時的なものと考えられます

しかし、この背景には企業が即戦力人材を求める傾向が一段と強まっていることがあり、転職希望者にとって「自分のスキルや経験が市場でどのように評価されるか」を見極めることが重要なポイントとなっています。

転職希望者数の減少が影響

このデータでは、転職希望者数が前月比で11.0%減少したことが明らかになっています。

doda 転職求人倍率レポート
出典:doda 転職求人倍率レポート 職種別 (2024年12月)

この減少率は、過去の傾向から見ても比較的大きく、年末に転職活動を控える動きが顕著であったことを示しています。こうした動きが、求人倍率上昇の要因の一つとして影響を与えています。求人数そのものも前月比0.5%減少しており、一部の業界では採用ニーズが鈍化していることもわかります。

特に注目すべきは、求人倍率が高い状態であっても、希望条件にマッチする求人が必ずしも増えているわけではない点です。企業が求める条件と転職希望者が求める条件との間にミスマッチが生じている場合、この「高倍率」という数値の持つ意味合いはやや異なるものとなります。転職希望者は表面的なデータだけでなく、自分の経験やスキルがどう市場に適合するかを再検討する必要があります。

このように、データから見えてくるのは、転職市場における慎重な行動の重要性です。

ポイント:実は昨年同月比較では転職求人倍率は減少している

ポイント:実は昨年同月比較では転職求人倍率は減少している

2024年12月・2023年12月との比較で見える求人倍率の変化

2024年12月の転職求人倍率は、前年同月の3.22倍から3.15倍へとわずかに低下しました。

これは、dodaのデータが示すように、表面的な「活況」とは裏腹に、転職市場が徐々に安定化している兆候とも取れます。2024年全体を通じて求人倍率は高い水準を維持してきたものの、この微減は一部の業界や職種で採用ニーズが落ち着きつつあることを示している可能性があります

特に、建設・不動産、メディアといった業界では、企業の採用計画の見直しや、景気動向の影響を受けた採用縮小が目立ちます。一方で、人材サービスやIT関連業界では引き続き高い採用意欲が見られるものの、全体の求人倍率を押し上げるには至らない状況です。

このように、業界間の温度差が顕在化している現状が、2023年同月比較でのわずかな低下につながっています。

求人倍率低下の背後にある要因

2023年12月との比較で見られる求人倍率の低下には、いくつかの要因が考えられます。

第一に、企業の採用活動が特定のスキルや専門性に偏っていることです。例えば、AIやクラウド技術といった高度な専門知識を持つ人材を求める求人が増える一方で、汎用的なスキルや中堅層のポジションへの求人は減少傾向にあります。この結果、特定スキルを持たない転職希望者にとって、求人市場の「狭さ」を感じる場面が増えています。

第二に、転職希望者数の減少が挙げられます。2024年12月の転職希望者数は前月比11.0%減少しており、この動きは求人倍率全体を高く見せる一因となっています。しかし、これが実際に求職者にとっての「チャンス」と言えるかは別問題です。求人倍率が高いという数値が示すのは、特定のスキルを持つ人材への需要が依然として強いという事実であり、すべての求職者にとって好条件であるとは限りません

年末の停滞期がもたらす市場の「踊り場」

年末は、転職希望者が活動を控える傾向が強まる季節です。企業の採用活動も、年度末を前に予算調整や採用方針の見直しを行う時期であり、求人市場全体の動きが鈍化する「踊り場」となりやすいのが特徴です。2024年12月も例外ではなく、dodaのデータからも、この時期に求人倍率の一時的な変動が見られることがわかります。

しかし、この踊り場が一時的な現象にとどまるのか、それとも長期的な採用需要の鈍化の兆候であるのかは、慎重に見極める必要があります。特に、DX需要に沸いたIT系の一部職種では需要がピークを迎えつつある可能性が指摘されており、企業が今後どのような方針転換を行うかが注目されます。求職者としては、このような市場の揺れに過剰に振り回されず、自身のスキルアップやキャリア形成に集中する姿勢が重要となるでしょう。

リクルート発表の転職後の年収動向を分析

リクルート発表の転職後の年収動向を分析

賃金増加が過去最高水準に

リクルートの調査によれば、2024年に転職した後で賃金が1割以上増加した人の割合は35.6%と、調査開始以来最高水準に達しました

株式会社リクルート「2024 年 10-12 月期 転職時の賃金変動状況」
出典:株式会社リクルート「2024 年 10-12 月期 転職時の賃金変動状況」

前年同期の35.0%をわずかに上回り、企業が依然として転職者に対する賃金上昇余地を提供していることを示しています。この背景には、特定のスキルや経験を持つ人材への需要が高いことが挙げられます。

職種別に見ると、営業職や経営企画、人事・法務などの事務系専門職が賃金増加において特に顕著で、過去最高水準を記録しました。一方で、IT系エンジニアは引き続き高水準を維持しているものの、前年からわずかに減少しました。

株式会社リクルート「2024 年 10-12 月期 転職時の賃金変動状況」
出典:株式会社リクルート「2024 年 10-12 月期 転職時の賃金変動状況」 IT 系エンジニア

これらのデータからは、転職市場全体が好調である一方、特定職種において需要が安定化しつつある兆候も見られると考えられます。

DX関連職種の賃金動向

特に注目されるのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連職種の賃金動向です。リクルートの調査では、ITエンジニアを含む情報技術系職種において賃金増加が続いていますが、前年度に比べてやや鈍化していることがわかります。これは、DX需要がピークを迎え、一部の企業では新規プロジェクト数が減少しているためです。

DX推進を行ってきたSIer(システムインテグレーター)を中心とした企業では、これまでの大規模プロジェクトからコスト最適化や既存システムの保守にシフトする動きも見られます。その結果、即戦力として求められるスキルの内容が変化しつつあり、単なるITスキルだけでなく、プロジェクトマネジメントやコンサルティング能力といった付加価値が重視される傾向があります。

異業種採用と新たな需要の拡大

また、リクルートの調査では、機械・電気・化学エンジニアといった職種においても賃金増加が目立ち、過去最高の32.1%に達しました。

株式会社リクルート「2024 年 10-12 月期 転職時の賃金変動状況」
出典:株式会社リクルート「2024 年 10-12 月期 転職時の賃金変動状況」機械・電気・化学エンジニア

特に半導体関連の需要が高く、高度な専門スキルを持つ人材が企業から強く求められています。この動きは、DX関連職種とは異なる新たな需要の拡大を示しており、企業が多角的な人材採用を進めていることを示唆しています。

一方で、異業種採用の動きも進んでおり、これまでとは異なるバックグラウンドを持つ人材に門戸を開く企業が増えています。この傾向は、単なる経験やスキルにとどまらず、柔軟な思考や新しい視点を持ち込むことが企業にとっての価値となっているからです。

転職希望者にとっては、自分のスキルを異業種にも応用できる形で整理し、アピールすることが重要な戦略となるでしょう。

ポイント:実は好調なIT系職種も今後の動向は見極めが必要

ポイント:実は好調なIT系職種も今後の動向は見極めが必要

DX需要の踊り場に注意

リクルートの調査によれば、IT系エンジニアの転職後の賃金増加割合は39.3%で、依然として高水準を保っています。しかし、前年から0.6ポイントの減少が見られます。これは、DX(デジタルトランスフォーメーション)需要がピークを迎え、成長スピードが鈍化しつつあることを示唆しています。企業がDX推進における大規模プロジェクトから、運用フェーズやコスト最適化に移行している兆候が背景にあると考えられます。

特に、SIer(システムインテグレーター)業界では、新規プロジェクトの数が減少し、既存システムの運用や効率化への重点が移りつつあります。この変化に伴い、従来の技術力のみでは競争力を維持できない場面が増えています。求められるスキルの変化は、エンジニア個人にとって「これまでのスキルが市場で十分評価され続けるか」を見直す必要性を示しています。

求められるスキルのシフト

IT系職種で求められるスキルは、従来のプログラミングやシステム構築といった技術的要素から、より高度で多様な分野へとシフトしています。具体的には、クラウド、AI、データサイエンスといった新技術を活用するスキルが重視されており、特にクラウドインフラの構築やAIモデルの開発に関連する求人が増加しています。これらの分野では、単なる技術力だけでなく、ビジネス課題を解決する能力や顧客とのコミュニケーション能力が求められるケースも増えています。

また、ITエンジニアに対する企業の期待値は高まっており、「専門分野の深い知識」に加え、「横断的なスキルセット」を持つ人材が市場で重視されています。例えば、プロジェクトマネジメントやコンサルティングスキルは、従来の技術者に求められる付加価値として高く評価されています。このようなスキルの多様化は、個々のエンジニアにとってキャリア戦略の見直しを促す重要な要因となるでしょう。

今後の市場変化に備えるための視点

DX関連職種の需要がピークを迎えている中で、転職希望者は長期的なキャリア形成を考える上でいくつかの重要な視点を持つ必要が出てきました。

まず、現在のスキルを深掘りするだけでなく、新しい技術分野に積極的に挑戦する柔軟性が必要です。特に、AIやクラウド分野に関連した資格取得や実務経験を積むことは、競争力を維持する上で大きな意味を持つでしょう。

次に、業界や職種に縛られず、自分のスキルが他の領域でどのように活用できるかを考えることも重要です。異業種採用が進む現在の市場では、エンジニアリングのスキルを持ちながら、他分野への転換を図ることが選択肢として浮上しています。例えば、ITエンジニアがコンサルティングや製造業のデジタル化支援に移行するようなケースが増えています。

最後に、市場の需要動向を冷静に分析し、転職タイミングを見極めることが肝心です。IT業界全体が踊り場に入る中で、安易な転職はリスクを伴う可能性があります。一方で、適切なタイミングでのステップアップは、キャリアにおいて大きな成果をもたらす可能性があります。これらの視点を持つことで、今後の市場変化に柔軟に対応できるビジネスパーソンとしての成長が期待できるでしょう。

ビジネスパーソンとしてどう記事を受け止める?

ビジネスパーソンとしてどう記事を受け止める?

専門性を深めるタイミングを見極める

転職市場のデータが示すように、専門性の高さが賃金増加や採用機会の増大につながることは明白です。しかし、DX需要の踊り場が示唆される中で、現在の専門分野だけに依存することはリスクを伴います。例えば、ITエンジニアや半導体関連の専門職では、特定スキルに高い需要がある一方で、企業の採用基準がさらに厳格化する動きも見られます。

ここで重要になるのは、自分の専門分野を「深化」と「拡張」の両面から捉えることです。例えば、ITエンジニアがクラウド技術のスキルを深める一方で、データサイエンスやAIモデル構築の基礎を学ぶことで、転職市場での競争力を高めることが可能です。

また、職種を問わず「業務改善」や「業務効率化」といったテーマでの知識を深めることは、多くの企業で評価されるスキルセットとなります。このように、自分の専門性を持ちながらも新しい知識や技術を積極的に取り入れることが、次のキャリアへの可能性を広げる鍵となるでしょう。

キャリアの柔軟性を意識する

dodaのデータでは、求人倍率が高い業界でも、企業が求めるスキルや経験に偏りがあることが明らかになっています。この状況下で、キャリアの柔軟性を持つことは極めて重要です。例えば、半導体関連の需要が増加している中で、機械・電気・化学エンジニアのような専門職以外の候補者がどのようにキャリアチェンジで参入できるかを考えることも必要になります。

柔軟性を意識するためには、自分の経験やスキルが異業種や異職種でどのように適用できるかを整理することが必要です。リクルートのデータが示すように、異業種採用の動きが進んでいる今、自分のバックグラウンドをアピールする方法を再検討することは、転職成功のカギとなります。例えば、営業職の経験を持つ人がIT企業でのプロジェクトマネジメントや顧客対応にスキルを活用するケースなど、職種横断的なキャリア形成が可能です。

このように、柔軟性を持つことで市場変化への対応力を高められるでしょう!

環境変化への対応力を鍛える

転職市場の揺れや企業の採用ニーズの変化が続く中で、環境変化への対応力を鍛えることも重要です。

リクルートやdodaのデータからは、求人倍率の変動や特定分野への偏りが見られる一方で、長期的なトレンドとして「即戦力のニーズ」が強まっていることがわかります。このような中で、環境に迅速に適応する力は、転職活動だけでなくキャリア全般で不可欠な要素となります。

例えば、現在の市場動向を正確に把握し、自分のキャリアプランを柔軟に調整する力が求められます。さらに、変化する業界ニーズを先読みし、将来的に求められるスキルを習得するための行動を取ることが必要です。具体的には、新たな資格の取得やオンライン学習プラットフォームを活用したスキル習得、さらには社内での役割変更を通じた経験の蓄積が有効な手段となります。

これらの取り組みによって、転職市場の変化にも動じず、長期的なキャリアを形成することができるでしょう。

この辺りの具体的なスキルの整理方法は、現代版プロティアンキャリアで実施できます。ご興味ある方はぜひ記事をご覧ください!

まとめ:dodaとリクルートの調査データの分析

まとめ:dodaとリクルートの調査データの分析

いかがでしたでしょうか?

2024年の転職市場は引き続き活況を呈している一方で、データを深掘りすると、DX関連職種の需要の踊り場や求人倍率の一部低下など、慎重に見るべきポイントが浮かび上がります。リクルートやdodaの調査結果からは、賃金増加や専門職需要の高さが確認されるものの、企業の採用基準の変化や特定スキルへの依存などのトレンドを読み取れます。

このような状況下で、ビジネスパーソンが転職市場で成功を収めるためには、専門性の深化と拡張、キャリアの柔軟性、そして環境変化への対応力が求められます。特に、業界や職種に縛られず、自分のスキルを多様な場面で応用できる力を身につけることが重要です。

この考え方は、現職でのキャリア形成にとってもすごく重要です!

転職市場は、常に動き続けています。表面的な「活況」に振り回されず、データに基づいた冷静な分析と長期的なキャリア戦略を持つことが、未来の成功への鍵となるでしょう。

今回のデータやこのコラムをもとに、今後のキャリアプランを描き直す一助としていただければ幸いです。

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筆者紹介

・元 転職エージェントキャリアアドバイザー
 営業職の方を中心に、転職活動をサポート
 累計カウンセリングは3,500件以上/転職斡旋人数は約400名
・現在はフリーランスマッチングサービスに在籍
・自閉症っ子・発達障害っ子のお父ちゃん
【保有資格】
国家資格キャリアコンサルタント/ GCDF-Japanキャリアカウンセラー
プロティアン認定ファシリテーター

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